今回はM1967ピストルベルトです。
思うような活躍が出来なかったナイロン装備
M1967MLCEの構成 出典 United States Army, Technical Manual 10-267 Hot Weather Clothing And Equipment, August 1970 |
さて、M1967MLCE(以下M67装備)はベトナム戦争中に採用されたナイロン製の装備システムです。それまで利用してきたM1956LCE(以下M56装備)の欠点として、コットン製であったために高温多湿、しかもジャングルの多い地域であるベトナムでは使い勝手が悪かったことがありました。具体的には、水を吸い込んで重くなる、おまけに乾くのが遅い。水分を吸い込みますからカビが生えやすく劣化しやすい。こすれ合うと劣化する等ですね。
そこで米軍はナイロンに目を付けました。ナイロンは乾きやすくカビにくい、おまけにこすれても中々劣化しないというコットンの欠点をカバーする利点が存在しましたが、こすれると音が出たり光でテカテカ反射しやすい、熱で溶けるという欠点もありました。
ナイロンを利用した運搬装備として開発・採用されたM67装備はもちろんベトナムへも送られ使用されましたが、M56装備との混用が殆どで揃った状態で使用されることはほぼ無かったかと思われます(M67が揃って着用された写真を見たことがありません)。また使用していても多くは特殊部隊でした。
M67装備は1970年代にALICEが登場してからも細々と紛れ込んで使用されていましたが、ついに大々的に使用されることはありませんでした。
1970年の教範のPDFを探してみましたが見つかりませんでした。沢山書いてあるんですが…
M1967ピストルベルト
M-1967ピストルベルト |
写真から伝われば良いのですがナイロン装備の中ではそこそこ硬めです。アイレットやホックなどから基本はM56の仕様のままナイロン化したことが分かるかと思います。
調整金具 |
コントラクトナンバー |
金属製のバックル |
2016年4月13日追加
使い込まれたM67ピストルベルトらしきものを所持していますのでこちらも載せておきます。
使い込まれたM67ピストルベルト |
色合いは元とは程遠い |
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