M1967ピストルベルト ~活躍できなかった新型装備~ 【ナム戦装備】

2023/12/13

ベトナム戦争 米軍装備

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皆様、こんにちは。ミリブロでも紹介しましたが、内容の改定も合わせて改めて御紹介します。
今回はM1967ピストルベルトです。

思うような活躍が出来なかったナイロン装備

M1967MLCEの構成
出典 United States Army, Technical Manual 10-267 Hot Weather Clothing And Equipment, August 1970
英語版ウィキペディアも参考にM1967MLCEのことについてまとめて書きたいと思います。

さて、M1967MLCE(以下M67装備)はベトナム戦争中に採用されたナイロン製の装備システムです。それまで利用してきたM1956LCE(以下M56装備)の欠点として、コットン製であったために高温多湿、しかもジャングルの多い地域であるベトナムでは使い勝手が悪かったことがありました。具体的には、水を吸い込んで重くなる、おまけに乾くのが遅い。水分を吸い込みますからカビが生えやすく劣化しやすい。こすれ合うと劣化する等ですね。
そこで米軍はナイロンに目を付けました。ナイロンは乾きやすくカビにくい、おまけにこすれても中々劣化しないというコットンの欠点をカバーする利点が存在しましたが、こすれると音が出たり光でテカテカ反射しやすい、熱で溶けるという欠点もありました。

ナイロンを利用した運搬装備として開発・採用されたM67装備はもちろんベトナムへも送られ使用されましたが、M56装備との混用が殆どで揃った状態で使用されることはほぼ無かったかと思われます(M67が揃って着用された写真を見たことがありません)。また使用していても多くは特殊部隊でした。
M67装備は1970年代にALICEが登場してからも細々と紛れ込んで使用されていましたが、ついに大々的に使用されることはありませんでした。
1970年の教範のPDFを探してみましたが見つかりませんでした。沢山書いてあるんですが…

M1967ピストルベルト

M-1967ピストルベルト
このピストルベルトはMEDIUMサイズで、デッドストック品のために状態は良好です。デッドストックでも黄変して黄色いのがあるんですよ。
写真から伝われば良いのですがナイロン装備の中ではそこそこ硬めです。アイレットやホックなどから基本はM56の仕様のままナイロン化したことが分かるかと思います。
調整金具
サイズ調整はM56装備と同じくアイレットにホックを差し込んで固定する方式となっています。この点はALICEになってから大幅に変わりましたね。
コントラクトナンバー
コントラクトナンバーも綺麗に残っていますが読めません。MEDIUMサイズのナンバーは調べてみたところ「NSN 8465-00-935-6815」のようです。
金属製のバックル
前のバックルは金属製で、M56装備と同じものです。DAVIS社が開発したデイヴィスバックルと呼ばれる脱着しやすい特殊な形状のものも多く存在します。生憎持ってませんので御紹介が出来ませんが…

2016年4月13日追加

使い込まれたM67ピストルベルトらしきものを所持していますのでこちらも載せておきます。
使い込まれたM67ピストルベルト
デットストックとは反対でかなり色あせなどあり、テープも大分ケバケバになっています。M56の名目で買いましたが多分M67ですねこれは…尚スライダーが片側欠品しています。
色合いは元とは程遠い
緑とは程遠い色です。金具も良い感じに色が剥げています。これだけ使い込まれたベルトは中々見かけませんよね。M56の代用にも使えるかと思いますので、これは今度売りに出してみようかと思っています。

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